ベスアからいちにち




私がこの事務所の若手アイドルを気にかけるようになって2年と少しが経った。
そんな角度から今回の出来事を見つめているから、どんな言葉を選んでも、読む人によっては思いがけず傷つけてしまったり、気に入らないことがあったりするかもしれない。
その場合は読む手を止めてほしい。
そして、この事務所に所属するアイドルが好きな人間のひとりとして、今感じていることを残しておくべきだと思って書いたということを、許してほしい。



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昨日のベストアーティストでの田口くんの発表。
WESTが地上波でCan't stopを披露した余韻に浸っていたときの、突然の出来事であった。
ただただ驚いた。
家族も、Twitterの中の人も、ただただ驚きの渦の中にいた。




そして突然怖くなった。




番組の間はなんとかごまかしていたが、番組が終わり、一夜明けても、一日じゅう心の中は衝撃が止まなかった。


田口くんやKAT-TUNについてのことは詳しくないはずなのに、どうしてこんなに辛い気持ちが止まらないんだろうと、ずっと考えていた。


***


私は、ジャニーズのタレントがお仕事としてアイドル業を頑張っているのが好きだ。
「職業:アイドル」として生きる人間が好きなので、アイドルとしての姿を全うしていれば、日頃がどんなに人間臭くたって構わない。むしろそのほうが、“お仕事”を頑張っている感じがして興味がそそられる。

私たちが日頃電車に乗ってオフィスへ行きパソコンに向かうのと同じように、彼らはアイドルというお仕事をしている。
そんなことは分かっていたはずなのに、“一身上の都合”で退職する可能性なんて、微塵も考えていなかったのだ。




これまで長い間アイドルというお仕事を続けてきた人が、その看板を降ろして歩いてゆこうとしている。


許すとか許さないとか、納得するとかしないではなく、
今好きな人がどこに行ってしまうか分からないこともあるという可能性を、ひたすらに突き付けられてしまったのだ。



ベストアーティストの間だって、大好きな人たちがメドレーを歌っていても虚無感が襲っていた。
地上波でせっかくかっこいい曲を歌わせてもらっているのに。
信じるって、好きになるって、なんなんだろうという気持ちばかりが駆け巡った。

どこまで好きでいればいいんだろう?

信じるってなんだろう?




こういうとき、ただちに思考を自担に結び付けるのはナンセンスなんだろうとは思う。
特に私の好きな2人は、こういう出来事でファンの子たちに安直に疑心暗鬼になられるのは嫌なんじゃないかなあなどと思いながらも、
正直に言って、誰のことを信じたらいいのか分からなくなった。





疑いながら好きになるのなんて嫌だ。




とはいえ、アイドルとファンという距離である限り、私たちはただただ目の前に出された料理を食べることしかできない。

心から信じてそれを口に運ぶのか、さらにはそれが美味しいと思うのか。
そんなことには関係なく、供給が突然止まってしまうこともあるのだと知った。





いつだって本当は信じていたいのに。


どこまで好きでいたらいいんだろう。




心は宙ぶらりんなまま、今日という日が終わった。